WordPressのプラグインの中でも1位、2位の人気を誇るJetpackについて、WordPress高速表示の観点から、それぞれのレンタルサーバー上で、どのような影響があるのかを調査しています。

調査方法

  1. 基準サイトは通常通り運営し、このコピーサイトを検索エンジンが認識しない設定で比較するレンタルサーバーに設置。
  2. 基準サイトにのみGTを導入
  3. 導入プラグインは「Akismet」と「WP Multibyte Patch」のみ
  4. 検証ツールにはGoogle PageSpeed InsightsとGTmatrixを使用
  5. テーマはWordPress公式ディレクトリ内の無料テーマ「freesia-empire」
  6. 記事数は、固定ページ13、投稿(ブログ記事)は、本記事を含めて9
  7. 初期検証時のデータからのサイトへの追加項目は、投稿記事1、トップページへのボタン設置1ヶ所。
  8. 調査対象のレンタルサーバーは以下の通りです。

上記(7)によって、サイトデータ自体は若干大きくなっています。しかし、大きくなっていると言っても1ページ分とボタン1つ分ですので、「超微増」と解釈しても良いでしょう。情報発信と調査検証を同時進行しておりますので、本検証まではご了承ください。改めて、デフォルト設定と各検証におけるデータ量(サイトのページ数や画像、ソースコードの文字数など)が変化しない形式での調査方法と情報発信の方法は検討いたします。

  1. さくらサーバー:共用サーバースタンダードプラン
  2. NTTPC WebARENA 共用サーバーSuiteX V2:子ドメインにて
  3. ロリポップ共用サーバー:スタンダード(旧:チカッパプラン)
  4. お名前.com共用サーバー:SD-01プラン
  5. X server:X10:無料オプション「PHP高速化設定(FastCGI化)」「mod_pagespeed」ともに「ON」

基準サイトは、本サイトとなり、このWEBサイトはさくらサーバーにて運営中です

Jetpackが及ぼすWordPress高速化への影響結果

プラグインJetpackに関する詳細や今回行っている調査の主旨などは、下記の記事をご覧ください。また、当記事でも掲載しておりますがさくらサーバーに関するBefore-Afterと詳細も下記記事に記載しております。

さくらサーバーでJetpackを導入すると遅くなる

<Jetpack導入前>
sakura-jetpack-before

<Jetpack導入後>
sakura-jetpack-after2

さくらサーバーで運営しているホームページにJetpackを導入するとGoogle PageSpeed Insightsの測定では「マイナスに作用する」ということが分かりました。サーバーの応答時間に関しても0.62秒」から「 0.90秒」と約0.3秒遅くなることが判明。Jetpackの機能の中でも人気の「Photon」ですが、機能の説明書きには「WordPress.com の CDN (コンテンツ・デリバリー・ネットワーク) から画像を読み込ませ、サイトを高速化しましょう。画像をキャッシュし、高速なネットワークから提供することで、あなたのサーバーの負荷をワンクリックで低減できます。」とありますが、そもそもこの「Photon」は、画像データを軽くする仕組みですので、画像が少ないページではあまり意味がありません。結果的に「Photon」を機能させる命令文がソースコード内の記述に追加されますので、その分がマイナス影響となるようです。

GTmatrixに関するbefore-Afterに関しては、記事末でまとめて考察しています。

NTT PC WebARENAでのJetpackの影響は小さいが…

<Jetpack導入前>
webarena-jetpack-before

<Jetpack導入後>

webarena-jetpack-after

WebARENAに格納しているサイトにJetpackを導入した場合でも影響力は小さいですが、マイナス影響が出ることが明らかになりました。サーバーの応答時間は「0.30秒」のままと変わりありません。

さくらサーバーでの測定結果ではモバイルとパソコンともにマイナス影響だったのに対しWebARENAの場合は、モバイル環境には影響がないというのも面白い結果ですよね。Jetpack内の人気機能の内、「Photon」は画像の多いサイトにおススメの機能ですので、これを削除した計測結果が気になるところですね。

ロリポップ:スタンダードプランにJetpackはプラス影響

<Jetpack導入前>
lolipop-jetpack-before

<Jetpack導入後>
lolipop-jetpack-after1

さくらサーバー、WebARENAとJetpackを導入した結果はマイナス影響だったのに対し、ロリポップでは、プラス影響に転じました。Jetpackを導入する前のデフォルト状態でも高い計測結果を出していたロリポップですので、それだけ各レンタルサーバーの仕様によって、プラグインの機能が及ぼす結果が異なることが顕著だということが分かります。

また、Jetpackの「Photon」は、画像のキャッシュ系機能ですので、同一ファイル名で画像を入れ替えた時などは注意が必要です。キャッシュが邪魔して、新しい画像を認識してくれない場合もあります。この場合は、複数のページで同じ画像を使っていない限り、新しい画像は新たなファイル名でアップした方が手っ取り早そうですね。

お名前.com共用サーバーは、他と全く違う反応を出した

<Jetpack導入前>
onamae-jetpack-before

<Jetpack導入後>
onamae-jetpack-after

お名前.comの共用サーバーで運営しているサイトにJetpackを導入した結果はモバイル環境にはプラスに働きパソコン環境下ではマイナスに作用すると言う特異な結果を表しました。プラス・マイナス1ポイントずつの影響ですので、それほど気にするものではないかもしれませんが、これがサイトのページ数や画像が増えていった場合どのような変化が起こるのかが非常に気になります。

X serverとJetpackの相性は◎

<Jetpack導入前>
xserver-jetpack-before

<Jetpack導入後>
xserver-jetpack-after

今回の5サーバーの内、Jetpackを導入しその機能をプラスに働かせたのはエックスサーバーだけとなりました。パソコン環境下ではマイナス1ポイントですが、モバイル環境下での計測結果はプラス3ポイントを獲得していますので、プラス影響と判断しても間違いではないでしょう。

更に忘れては行けないのが、今回の調査で示している<Jetpack導入前>のデータ取得後にトップページにモーション付きのボタンを1つ追加しており、これはphpファイルからの呼び出しによって動作しているボタンです。また、最新記事4記事のサムネイルと抜粋文がトップページには掲載されますので、この画像のデータ量の差によって若干でしょうが計測結果に違いが生じています。記事を足す前にトップページに掲載されていた記事のサムネイルと新たに追加した記事のサムネイル画像の元データ量には26KBの差があり、新しい記事で使っている画像の方が大きなデータ量を持っていました。このため、トップページは少なくても26KB以上は重たくなっているといえます。

サーバーの応答時間に関しては、Jetpack導入前の調査では指摘がありませんでしたが、導入後は「0.42秒」での応答と指摘される結果となりました。

では、最後にGTmatrixに関する測定結果を見てみましょう。

Jetpax導入前後でのGTmatrix計測結果比較

【さくらサーバー:Before】
本サイトの調査結果(GTmatrix)

【さくらサーバー:after】
GTmatrix-def-jetpack

【他4サーバー:Before】
4server-gt-x

X serverのmod_pagespeed設定「OFF」のデータは、今回の検証から削除いたしました。

GTmatrix-xserver-set-on1

【他4サーバー:after】

Jetpack-4sites

GTmatrixでの計測結果を見ていくと、Google PageSpeed Insightsで直接計測した場合とは異なり、PageSpeed Scoreの値は5サーバーどこを取ってもJetpackの影響は大きくプラスへと働いていた。さくらサーバーではプラス18ポイントアップし評価も「D」から「C」へとランクアップ。この他、X serverを除いた3サーバーでも10ポイント以上数値が好転している。しかし、YSlow Scoreの数値に関してはエックスサーバー以外の4サーバーでマイナスに転じているが、エックスサーバーではプラス2ポイントアップという結果になった。

「Page Load Time」を見てみると、さくらで「1.8秒」遅くなり、ロリポップとお名前.comのGMO系サーバーでは共に「1.5秒」遅くなっている。これに対してNTT PCのWebARENAとX serverでは、「0.1秒」速くなっていた。

Jetpax導入は、X server以外では微妙じゃないのか…

Jetpack導入前後でのGoogle PageSpeed Insights、GTmatrix双方での計測結果を見てきましたが、WordPress高速表示という観点からすると、Jetpackの導入はX server以外あまりメリットを享受できないと言った結果となりました。ただし、ここで忘れてはいけないのがJetpackが持つ豊富な機能の中でWP高速表示に貢献するのは「Photon」だけだということ。

この「Photon」は、CDN (コンテンツ・デリバリー・ネットワーク) から画像を読み込ませ画像系キャッシュ機能ですので、画像が少ないサイトには不向きな機能だともいえるでしょう。また、掲載する画像に関しても配慮が必要です。大きな画像を少ない枚数掲載するのか、それとも小さな画像を多く掲載するのか。ページやサイトのデータ量だけ見れば大きめの画像を少なく配置した方がデータ量は小さくできるでしょうが、モバイル環境下での閲覧時に画像サイズが小さくて「画像の中の文字が見えづらい」ということなどが起こるデメリットもあります。

このあたりもレスポンシブWEBデザインを採用したホームページ作成や運営では悩ましい課題といえますね!

Jetpackは、1つのプラグインで豊富な機能が使える便利な機能ですが、WordPressの高速表示に悪影響を及ぼす場合やレンタルサーバーによってはプラスに機能しないケースが多々あることが分かりました。ホームページの制作会社出ない限り、レンタルサーバーの検証やWordPressの各プラグインとWEBサイトの使用の相性比較などを実施する機会というのはなかなかないのではないかと思いますが、手軽にWordPressの高速化を実現しJetpackを使ってサイトのカスタマイズ性やセキュリティ面を強化したいようでしたら、レンタルサーバーはエックスサーバーが、良いのではないでしょうか。



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